皇帝が釧路にいってきたのは有名な話(帝国の中では)ですが、その際にさまざまな公共の交通機関を利用するにあたり、人間の果てることのないカルマの深さを感じました。
たとえば、新幹線にのっていても、飛行機に乗っていても、人間はつねに縄張り争いをしているのです。
新幹線や飛行機の二人がけの座席の中央部には、肘掛けが一個ついています。
しかし、二人がけの座席ですから、人は二人座っていることがあるわけで、この際、中央の肘掛けの上では壮絶な縄張り争いが発生するのです。
この場合、先に領土を獲得したほうに優先権がありがちですが、中には剛の者がいて、無言で国境線を押し上げてくるのです。
まれに、ある程度のラインで双方が妥協し、一つの肘掛けを共有するケースも見られますが、一般的にはこのままどちらかが押し切り、肘掛けはどちらかの手に陥落するようですというか、熱を出して反撃がままならない皇帝の肘掛けを侵食してきたヤツがいやがったんだ!
でも、そいつがスパゲッティを買いに行った隙に全部取っちゃいました。エヘヘ。
というわけで皇帝はなんとか帰ってきましたが、三人がけの真ん中の場合は左右とも失っちゃう人もいるのではないかと気が気ではありません。